ボーナスを借入返済に使うべき?繰り上げ返済前の確認ポイント
ボーナスや賞与が入ると、「借金の返済へ使った方がよいのか」「貯金を優先すべきか」「全額返済に回せば早く完済できるのではないか」と迷うことがあります。
ボーナスの一部を借入返済へ回せば、借入元金を前倒しで減らし、完済時期を早めたり、支払利息を抑えたりできる可能性があります。
一方で、ボーナスをすべて返済へ使ってしまうと、税金、車検、家電の買い替え、医療費など、今後必要になる支出へ対応できなくなることがあります。
手元資金が不足し、生活費のために再びカードローンやキャッシングを利用すれば、せっかく減らした借入残高が元に戻る可能性もあります。
そのため、ボーナスを返済へ使うかどうかは、「返済すれば利息が減るか」だけでなく、返済後の家計を維持できるかを含めて判断する必要があります。
この記事では、ボーナスを借入返済へ使うメリット、返済前に確認したい項目、繰り上げ返済額の決め方を解説します。
ボーナスを借入返済へ使うメリット
借入残高を大きく減らせる
毎月の収入から追加返済を行うのが難しくても、ボーナスでまとまった金額を返済すれば、借入残高を一度に減らせる可能性があります。
たとえば、借入残高50万円に対して10万円を返済できれば、残高を大きく減らせます。
追加返済後の正式な残高は、契約先の公式画面で確認してください。
完済時期を早められる
借入元金を前倒しで減らすことで、完済までの返済回数を短縮できる可能性があります。
毎月の返済額を変えずに続ければ、返済期間が短くなることがあります。
将来支払う利息を減らせる可能性がある
借入残高が減れば、その後に利息が発生する元金も小さくなります。
同じ金額を返済するなら、一般的には早い時期に元金を減らす方が、その後の利息発生期間を減らしやすくなります。
借入件数を減らせる場合がある
複数の借入があり、少額の借入をボーナスで完済できる場合は、借入件数を1件減らせます。
返済日や管理する契約数が減り、その借入へ毎月支払っていた金額を次の借入へ回せるようになります。
ボーナスをすべて返済へ使わない方がよい理由
ボーナスを受け取ると、まとまった金額を返済へ回したくなることがあります。
しかし、全額を返済することが必ずしも最適とは限りません。
全国銀行協会は、カードローン利用時に避けたいこととして、無理な返済計画を立てることや、返済のためにさらに借りることを挙げています。
返済後に生活資金が不足し、新たな借入が必要になれば、家計の改善につながりません。
ボーナスを返済へ使う前の確認ポイント
1.次のボーナスまでの生活費
まず、次のボーナスが支給されるまでの生活費を確認します。
毎月の給与だけで生活費をまかなえるか、直近数か月の家計実績を確認してください。
次のような支出が毎月の給与を上回っている場合、ボーナスの一部を生活費の補填に残す必要があります。
- 家賃
- 食費
- 光熱費
- 通信費
- 保険料
- 交通費
- 教育費
- 医療費
- 税金
- ローン返済
2.今後予定されている大きな支出
ボーナスを返済へ使う前に、今後半年程度の支出予定を確認します。
主な支出は次のとおりです。
- 自動車税
- 固定資産税
- 住民税
- 車検
- 自動車保険
- 賃貸契約の更新料
- 引っ越し費用
- 家電の買い替え
- 入学金・学費
- 冠婚葬祭
- 医療費
- 旅行や帰省費用
返済後にこれらの支払いができなくなる場合は、必要な金額を先に分けておきます。
3.急な出費へ備える予備資金
病気、けが、家電の故障、自動車修理など、予定していない出費は突然発生します。
ボーナスを返済へ使った後も、一定の予備資金を残すことが重要です。
必要な予備資金の金額は、家族構成、収入の安定性、固定費などによって異なります。
少なくとも、急な支出が発生したときに再借入をしなくても対応できる金額を残します。
4.収入の安定性
毎月の給与が安定しているか、今後収入が減る可能性がないかを確認します。
次のような状況では、ボーナスを返済へ回しすぎない方が安全です。
- 転職を予定している
- 契約更新の時期が近い
- 残業代が減っている
- 勤務時間が不安定
- 休職の可能性がある
- 賞与額が毎年変動する
- 退職を予定している
返済計画を立てる際は、毎月の生活費と返済額のバランス、今後予定されている大きな支出を確認することが重要です。全国銀行協会も、収入と家計を踏まえ、無理のない返済計画を検討するよう案内しています。
5.借入の金利
複数の借入がある場合は、各借入の金利を確認します。
一般的には、金利が高い借入ほど利息負担が大きくなりやすいため、ボーナスから追加返済する場合の有力候補になります。
ただし、借入件数を減らしたい場合は、残高が少ない借入を先に完済する方法もあります。
6.追加返済の手数料
追加返済の方法によって、ATM手数料や振込手数料がかかる場合があります。
返済先の公式サイトや会員ページで、次の内容を確認します。
- インターネット返済の可否
- ATMからの追加返済
- 銀行振込
- 最低返済額
- 手数料
- 返済金の充当方法
- 約定返済が別に必要か
7.ボーナス払いの有無
ローン契約でボーナス月の増額返済を設定している場合は、すでにボーナスから必要な返済額が差し引かれることになります。
追加返済を検討する前に、通常返済とは別に必要になるボーナス月返済額を確認してください。
日本貸金業協会の返済シミュレーションでも、ボーナス払いを年2回として設定し、1回当たりの支払額を入力できる仕様があります。
ボーナスから返済する金額の決め方
ボーナスの返済額は、次の順番で計算します。
ボーナス手取り額
- 今後必要な支出
- 予備資金
- 貯蓄へ回す金額
= 繰り上げ返済に使える金額
たとえば、ボーナスの手取りが40万円で、次の支出を予定しているとします。
| 用途 | 金額 |
|---|---|
| 税金・保険 | 8万円 |
| 家電買い替え | 5万円 |
| 予備資金 | 10万円 |
| 貯蓄 | 7万円 |
| 返済可能額 | 10万円 |
この場合、生活や将来の支出を確保したうえで、10万円を追加返済へ回す計画が考えられます。
最初から「ボーナスの半分を返済する」などと割合だけで決めず、必要な支出を差し引いてから判断してください。
ボーナス返済額別の考え方
ボーナスの10%を返済へ使う
家計への影響を抑えながら、少額でも借入残高を減らしたい場合の方法です。
手取り40万円なら4万円です。
残りの金額を貯蓄や生活費へ回しやすいため、返済後の家計を安定させやすい特徴があります。
ボーナスの25%を返済へ使う
手取り40万円なら10万円です。
借入残高によっては、完済時期や利息へ一定の効果を期待できます。
税金や大きな支出を確保できているか確認してから実行します。
ボーナスの50%を返済へ使う
手取り40万円なら20万円です。
借入残高を大きく減らせる可能性がありますが、残りの20万円で今後の支出と予備資金をまかなえるか慎重に判断する必要があります。
ボーナス全額を返済へ使う
借入を完済できる場合や、十分な貯蓄が別にある場合に検討できる方法です。
ただし、返済後に手元資金がほとんどなくなるなら、全額返済は避けた方が安全です。
複数の借入がある場合、ボーナスはどこへ返す?
金利が高い借入
利息負担を減らすことを重視する場合の方法です。
すべての借入の約定返済を守り、ボーナスからの追加分を最も金利の高い借入へ集中させます。
残高が少ない借入
借入件数を減らすことを重視する方法です。
たとえば、残高8万円の借入をボーナスで完済すれば、翌月以降はその借入の返済が不要になります。
毎月返済額が大きい借入
毎月の家計負担を軽減したい場合の候補です。
ただし、残高が大きく、ボーナスだけでは完済できない場合、毎月返済額がすぐに下がらないこともあります。
ボーナスで一括返済する場合の注意点
借入残高と同じ金額を振り込めば完済になるとは限りません。
一括返済日までに発生する利息や手数料が加わることがあります。
正式な一括返済額、振込先、返済期限を契約先へ確認してください。
また、一括返済後も契約が自動的に解約されるとは限りません。
今後利用しない場合は、解約手続きが必要か確認します。
ボーナスを返済へ使わない方がよいケース
次の状態では、ボーナス返済より家計の安定を優先することがあります。
- 毎月の家計が赤字
- 家賃や税金の支払いが遅れている
- 貯金がほとんどない
- 収入が減る予定がある
- 数か月以内に大きな支出がある
- 返済資金を別の借入で用意している
- すでに返済が遅れている
特に、毎月の約定返済が難しい場合は、ボーナスで一時的に返済しても根本的な家計改善にはなりません。
ボーナス返済後の計画も作る
追加返済をした後は、次の内容を確認します。
- 返済後の正式な借入残高
- 次回返済額
- 毎月の約定返済額
- 完済予定時期
- 借入全体の合計残高
- 次に優先する借入
- 生活費と予備資金
返済後の残高をもとに、返済シミュレーションをやり直します。
ボーナス返済をして終わりではなく、その後の返済計画を更新することが重要です。
PayRhythmでボーナス返済後の効果を確認する
ボーナスなどでまとまった金額を追加返済した場合は、返済して終わりではなく、 返済後の借入残高を確認し、その後の返済計画を見直す ことが重要です。
PayRhythmでは、追加返済を行った後に契約先の公式アプリや会員ページで最新の借入残高を確認し、その残高へ更新したうえで、現在の毎月返済額をもとに返済計画を再シミュレーションできます。
たとえば、借入残高50万円から一度だけ5万円を追加返済した場合は、
- 5万円を追加返済する
- 契約先で返済反映後の正式な借入残高を確認する
- PayRhythmの現在残高を最新の金額へ更新する
- 更新後の残高から完済時期や利息負担の目安を再確認する
という流れで管理します。
なお、返済額を単純に現在残高から差し引いた数字を正式な残高として扱うのではなく、 実際に追加返済した後は、必ず契約先で最新残高を確認してください。
1万円・3万円・5万円・10万円を追加返済した場合を実際に比較
PayRhythm編集部では、 借入残高50万円・年18.0%・毎月返済額15,000円 というモデルケースを使い、
- 追加返済なし
- 一度だけ1万円を追加返済
- 一度だけ3万円を追加返済
- 一度だけ5万円を追加返済
- 一度だけ10万円を追加返済
した場合を比較しました。
追加返済後の残高をそれぞれ49万円・47万円・45万円・40万円としたモデルで再シミュレーションすると、次の結果になりました。
| 一度だけ追加返済 | 返済後残高 | 完済目安 | 短縮期間 | 利息軽減額 |
|---|---|---|---|---|
| なし | 500,000円 | 約47か月 | ― | ― |
| 10,000円 | 490,000円 | 約46か月 | 約1か月 | 9,973円 |
| 30,000円 | 470,000円 | 約43か月 | 約4か月 | 28,738円 |
| 50,000円 | 450,000円 | 約41か月 | 約6か月 | 46,102円 |
| 100,000円 | 400,000円 | 約35か月 | 約12か月 | 83,821円 |
今回のモデルでは、一度だけ5万円を追加返済した場合、完済目安は約6か月早まり、利息総額は46,102円少なくなる結果となりました。
10万円を追加返済した場合は、完済目安が約12か月早まり、利息総額は83,821円少なくなっています。
ただし、これらは説明用のモデル条件による概算です。実際の効果は借入残高、金利、返済方式、追加返済日、返済への充当方法などによって異なります。
1万円・3万円・5万円・10万円を一度だけ追加返済した場合について、PayRhythmの実際のシミュレーション画面とともに詳しく比較した結果はこちらです。
繰り上げ返済シミュレーション|1万・3万・5万・10万円を追加返済した場合の効果を比較
PayRhythmの試算結果は、返済計画を考えるための参考情報です。
正式な借入残高、一括返済額、追加返済方法、手数料、返済後の約定返済額については、各契約先の公式情報をご確認ください。
返済が難しい場合は相談を優先する
毎月の返済額を用意できない、返済のために新たな借入をしている、すでに返済が遅れている場合は、ボーナスの使い方だけで解決しようとしないことが重要です。
全国銀行協会では、カードローンなどの返済が困難な人向けに無料の相談サービスを案内しています。
金融庁も、多重債務について財務局、法テラス、弁護士会、日本貸金業協会などの相談先を案内しています。
まとめ
ボーナスを借入返済へ使うと、借入残高を大きく減らし、完済時期を早め、将来の利息を抑えられる可能性があります。
ただし、ボーナス全額を返済へ使うことが最適とは限りません。
返済前に、次の内容を確認します。
- 次のボーナスまでの生活費
- 税金や車検など今後の支出
- 急な出費に備える予備資金
- 収入の安定性
- 借入金利
- 追加返済の手数料
- 返済後の家計
必要な支出と予備資金を差し引き、残った余裕資金の範囲内で返済額を決めましょう。
参考情報・参照資料
- 日本貸金業協会「返済シミュレーション」
- 日本貸金業協会「家計やりくりチェック」
- 全国銀行協会「住宅ローンの繰り上げ返済、効果的に行うには?」
- 住宅金融支援機構「繰上返済」
- 全国銀行協会「カードローン 借りすぎに注意!!」
最終確認日:2026年8月5日
※記事内のボーナス額、返済額、返済割合は説明用のモデルケースです。
※ボーナスを返済へ回す前に、生活費、税金、保険料、今後予定されている支出、緊急予備資金をご確認ください。
※返済後に手元資金が不足し、再借入が必要になるような返済は避けてください。
※正式な追加返済方法、一括返済額、手数料は各契約先へご確認ください。
執筆:PayRhythm編集部
内容確認:PayRhythm運営事務局