複数の借入はどれから返す?返済する順番の決め方

カードローンやクレジットカードのリボ払いなど、複数の借入があると、「毎月返済しているのに残高がなかなか減らない」「余裕がある月は、どの借入に多く返せばいいのかわからない」と悩みやすくなります。

複数の借入を返すときに大切なのは、感覚で返済先を決めるのではなく、すべての借入について金利、残高、毎月の返済額、返済日を整理したうえで、優先する基準を決めることです。

一般的には、利息負担を抑えたい場合は「金利が高い借入から返す方法」、借入件数を早く減らして管理を簡単にしたい場合は「残高が少ない借入から返す方法」が候補になります。ただし、どちらの方法を選ぶ場合でも、ほかの借入の約定返済を止めてよいわけではありません。最初に守るべきなのは、すべての借入について決められた返済額を返済日までに支払うことです。

この記事では、複数の借入をどれから返すべきか、判断する手順をわかりやすく解説します。

複数の借入は「すべての最低返済額を払ってから」優先順位を決める

複数の借入がある場合、返済の考え方は次の二段階に分けると整理しやすくなります。

第一段階は、すべての借入について、その月に必要な約定返済額を支払うことです。約定返済額とは、契約に基づいて毎月支払う必要がある金額を指します。返済日や返済額は契約先によって異なるため、会員ページ、公式アプリ、利用明細などで確認します。

第二段階は、約定返済とは別に返済へ回せるお金がある場合、その追加分をどの借入に集中させるか決めることです。

たとえば、3社への返済額がそれぞれ月1万円で、今月は合計4万円を返済に使えるとします。この場合、3社に1万円ずつ支払った残りの1万円を、優先すると決めた1社へ追加返済するイメージです。追加分を3社へ均等に分ける方法もありますが、完済までの利息や借入件数を減らす目的があるなら、対象を絞った方が変化を把握しやすくなります。

なお、追加返済の取り扱い、手数料、返済方法、返済額の反映時期は契約先によって異なります。実行前に必ず契約先の案内を確認してください。返済シミュレーションも標準的な条件に基づく目安であり、実際の金額は各事業者への確認が必要です。日本貸金業協会も、返済シミュレーションの結果は目安であると案内しています。

方法1:金利が高い借入から優先して返す

利息負担をできるだけ抑えたい場合は、金利が高い借入を優先する方法が基本候補になります。

利息は、一般に借入残高、適用金利、利用日数などをもとに計算されます。同じ残高であれば、金利が高い借入ほど発生する利息が大きくなりやすいため、追加返済によって高金利の残高を早く減らすことで、将来支払う利息を抑えられる可能性があります。

たとえば、次の3つの借入があるとします。

借入先借入残高金利毎月の返済額
A社40万円年18.0%1万2,000円
B社70万円年14.0%1万5,000円
C社20万円年10.0%8,000円

利息の削減を優先するなら、追加返済先の第一候補は金利が最も高いA社です。A社を完済した後は、A社へ支払っていた月1万2,000円と、それまでの追加返済額をB社へ回します。このように、1件を完済するたびに次の借入へ返済余力を移していくと、返済の流れを作りやすくなります。

金融機関の解説でも、複数の借入について「金利が高いもの」と「残高が少ないもの」が返済優先順位の代表的な基準として挙げられています。金利が高い借入を優先する方法は、長期的な利息の支払いを抑えたい場合に向いています。

ただし、金利が高い借入の残高が大きいと、完済までに時間がかかることがあります。返済を続けても借入件数がしばらく変わらないため、達成感を得にくいと感じる人もいます。数字上の効率だけでなく、継続できるかどうかも考えて選ぶ必要があります。

方法2:残高が少ない借入から優先して返す

返済先を早く減らし、毎月の管理を簡単にしたい場合は、残高が少ない借入から完済する方法があります。

先ほどの例では、残高が最も少ないのはC社の20万円です。C社を優先して完済できれば、返済先が3社から2社に減ります。返済日や入金先の管理がひとつ減り、C社に支払っていた毎月8,000円を次の借入へ回せるようになります。

この方法のメリットは、完済という目に見える成果を比較的早く得やすいことです。「1件返し終えた」という実感が、その後の返済を続ける動機になることもあります。また、借入件数が減ることで、返済日や必要金額の管理もしやすくなります。

一方で、金利が高い借入を後回しにすると、全体として支払う利息が多くなる可能性があります。残高の少なさだけで決めるのではなく、金利差も確認しましょう。

たとえば、残高が18万円で金利10%の借入と、残高が22万円で金利18%の借入がある場合、残高差は4万円しかありません。このようなケースでは、少し残高が多くても金利18%の借入を先に返す方が、利息面で合理的な場合があります。

金利と残高のどちらを優先するか迷ったときの判断基準

「高金利から」と「少額残高から」のどちらが正解かは、借入状況と目標によって異なります。次の基準で考えると判断しやすくなります。

支払う利息をできるだけ減らしたい

利息負担を抑えることを最優先にするなら、金利が高い順を基本にします。ただし、実際の利息は残高にも左右されるため、金利だけでなく現在残高も確認します。

返済先を早く減らしたい

複数の返済日を管理する負担が大きい場合や、完済による達成感を重視する場合は、残高が少ない借入から返す方法が適しています。

返済忘れの危険がある借入を減らしたい

返済方法が振込のみで忘れやすい、返済日がほかと離れているなど、管理上の負担が大きい借入を優先する考え方もあります。ただし、追加返済によってすぐ完済できる場合に限られます。

毎月の返済額を早く軽くしたい

完済後にその借入の返済額が不要になるため、残高が少なく毎月返済額が比較的大きい借入を先に完済すると、月々の資金繰りが改善しやすい場合があります。ただし、浮いた金額を生活費に使い切るのではなく、次の借入返済へ回すことが重要です。

実際に返済順を決める5つの手順

1.すべての借入を書き出す

最初に、カードローン、消費者金融、クレジットカードのリボ払い・キャッシングなどを漏れなく書き出します。

最低限、次の項目を整理します。

  • 借入先
  • 現在の借入残高
  • 適用金利
  • 毎月の約定返済額
  • 返済日
  • 返済方法
  • 追加返済の方法
  • 完済に必要な金額

残高や返済額は記憶で入力せず、各社の公式アプリ、会員ページ、利用明細などで確認してください。

2.毎月必ず必要な返済額を合計する

各社の約定返済額を合計し、毎月最低限必要な返済額を把握します。家賃、光熱費、食費、通信費などの生活費も含めて、返済後に家計が不足しないか確認します。

日本貸金業協会は、家計の収入と支出を入力して収支バランスを確認できる「家計やりくりチェック」を提供しています。返済額だけでなく、家計全体を確認することが、無理のない計画を立てる第一歩です。

3.追加返済できる金額を決める

毎月の収支が黒字でも、その全額を返済へ回すと、急な医療費や家電の故障などに対応できなくなる可能性があります。一定の予備費を残したうえで、無理なく継続できる追加返済額を決めます。

追加返済額は、毎月必ず同額でなくても構いません。「毎月5,000円を基本にして、余裕のある月だけ増やす」など、続けられる設定が重要です。

4.優先する借入を1件決める

利息削減を優先するなら高金利、管理負担の軽減を優先するなら少額残高を基準にします。金利と残高の差が小さい場合は、毎月の返済額や返済方法も含めて判断します。

5.完済したら次の借入へ返済額を移す

1件を完済しても、毎月の返済予算をすぐ減らさないことがポイントです。完済した借入へ支払っていた金額を、次の優先借入へ上乗せします。これにより、返済が進むほど次の完済までの速度を上げやすくなります。

複数借入の返済で避けたい行動

返済のために別の借入を増やす

返済資金を別のカードローンやキャッシングで用意すると、一時的に返済日を乗り切れても、借入残高や返済先が増える可能性があります。返済が不足しそうな時点で、まず家計と返済予定を確認し、契約先へ相談してください。

追加返済を優先して生活費が不足する

追加返済を増やしすぎて、翌月の生活費を再び借りる状態になると、残高を安定して減らせません。毎月の返済額は、生活を維持しながら継続できる範囲に設定します。

残高や金利を確認せずに順番を決める

「昔から使っているから」「請求額が大きく見えるから」といった印象だけで決めると、実際の金利や残高に合わない返済順になることがあります。少なくとも月に1回は最新情報へ更新しましょう。

1社へ集中するために、ほかの返済を遅らせる

優先返済は、ほかの借入の約定返済を守ることが前提です。返済状況に関する情報として、入金日、入金予定日、残高、延滞などが信用情報機関に登録される仕組みがあります。

PayRhythmで返済の優先順位を整理する方法

PayRhythmでは、複数の借入情報を登録し、金利や残高などの条件から返済状況をまとめて確認できます。

返済優先度アドバイスでは、たとえば次のような視点で借入を比較できます。

  • 金利が高い順
  • 借入残高が大きい順
  • 利息負担割合が高い順
  • 毎月の返済額のうち元金に充てられる割合が低い順

ひとつの基準だけで「必ずこの借入から返すべき」と決めるのではなく、複数の見方を確認できることが特徴です。

さらに、返済計画シミュレーターを使えば、毎月の返済額へ追加できる金額を設定し、完済時期や利息負担がどのように変わるかを目安として確認できます。

PayRhythmの試算やアドバイスは、利用者自身が返済計画を考えるための参考情報です。実際の利息、返済額、返済日、追加返済の扱いは契約内容によって異なるため、最終的には各契約先の公式情報を確認してください。

返済を続けることが難しい場合は早めに相談する

毎月の収入から生活費と約定返済額を差し引くと不足する、すでに返済が遅れている、返済のために新たな借入を繰り返している場合は、返済順の工夫だけでは解決が難しいことがあります。

全国銀行協会は、返済が遅れざるを得ない事情が生じた場合、実際に遅れる前にできるだけ早く相談するよう案内しています。金融庁も、多重債務に関する全国の相談窓口を案内しています。

返済状況が厳しいときは、一人で判断せず、契約先や公的な相談窓口へ早めに相談してください。

まとめ

複数の借入をどれから返すか考えるときは、まずすべての借入の約定返済を守り、そのうえで追加返済を集中させる借入を決めます。

利息負担を抑えたい場合は金利が高い借入、借入件数を早く減らしたい場合は残高が少ない借入が主な候補です。ただし、金利、残高、毎月の返済額、返済日、家計の余裕をまとめて確認し、自分が継続できる順番を選ぶことが大切です。

複数の借入を別々に確認していると、残高や返済日の更新が負担になります。PayRhythmに借入情報を登録すると、借入一覧、返済予定、返済記録、返済優先度をまとめて確認できます。

複数の借入を整理して、返済の優先順位を確認する

PayRhythmでできること

借入残高や返済予定をまとめて見える化できます

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